コラム「三角の窓から」

DV裁判 結審でした

カテゴリー:ガンのつぶやき

検察官による、長い長い論告求刑のための事件の概要が読み上げられた。これまでの証拠の数々の再確認。関係者の証言。DV防止法の意味と今後の影響について、などなど・・・。途中、裁判官に「時間が足りないのですでに出された証拠は省くなど、時間を考えて」と、注意されながらも2時間近く経過した。

そして、

「最後に求刑です。被告人を無期懲役に処し、押収してある脇差し一振り、柳刃包丁1本、出刃包丁1本、両出刃包丁1本の各没収が相当かと思われます」

傍聴席はほとんど満席だったけど、やけに重い雰囲気でシンとしていた。緊張した空気がため息すらも出させてくれなかった。

前の記者席で、涙をぬぐいながら必死でメモを取っている記者らしき女性の存在に、ホッとする。この事件の無念さと悔しさに、涙しながら仕事をしているのだろうか・・・・。しっかり、女性の怒りと悲しみを共感して記事にして欲しい。

誰一人として、母親も兄弟も・・・、情状酌量の証人になってくれなかった被告人。被害者側はもちろん、証人となった関係者、被告人の親族全員からも「出てきたら、何をするか分からない。逆恨みをされて殺される。死刑にして下さい」と口をそろえて言う。私もそのうちの一人。あらゆる証人が「死刑にして下さい」「極刑を望みます」と言っているけど、求刑は無期懲役。これが検察の求める限界なのだろう。

だれも示し合わせて打ち合わせをしたわけでもないのに、そこまで言われる被告人って何?知らない人からも怯えられ、親しい人からもこれほど恨まれるって、いったいこれまでどんな人生を送ってきたんだろう。

弁護士の形ばかりの弁論のあと、被告本人による意見陳述があった。言いたいことを言えばいいのだけど、まるで職場の上司に遅刻の言い訳をするかのような軽さで被告人席で話し出した。「だいたいは今の気持ちとして弁護士の言ってくれた通りです」

被告の心からの言葉ではなく「今は、反省しています」と、言い訳程度に「反省」を口にする。そして最後に

「控訴しますから」

被告本人は判決前だというのにすでに控訴することを宣言した。これがたかだか数週間前の公判の証言で、妻を殺害したことを「後悔していない」と言い切り、自らも死刑になりたいと言った男の命乞いなのだろうか。

判決は6月19日 判決の結果に期待したい。

 

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